「茶」「赤」「黒」

電子機器中は各種素子が用いられている。
その中のひとつに「抵抗」がある。
いわゆる、なんとかオーム、と言われているヤツだ。
かつて、転職した先で、納入していたあるシステムが不安定で不安定でトラブル続きだった。
欧州製のオンサイトページングシステムだが、親機と子機間通信がすぐ落ちる。
北海道・室蘭の某病院に納入したこれが、ほとんど使い物にならないと代理店から重クレームを受け、途中入社して間もない小生が現場に放り込まれた。
代理店の中○さんが、同行だが、半ば監視役。
正規に稼動するまで、帰ってこれない。(いわゆる)人質ですな。
飛行機で北海道に飛び、電車で室蘭のひとつ手前の母恋駅で降りてすぐの企業名が冠された記念病院。
で、現地に到着し早速システム内部をよく見てみる。
親機からのデータリンク動作モニタにLEDが使用され、それに直列に抵抗が入っている。
これの抵抗器本体に印刷されている色は、
「茶」「赤」「黒」
だった。これは、カラーコードで12オームを示す。
なにぃ?・・・こんなところに12オームゥ?・・・
と思い、回路図を確認すると、正しい抵抗値は、「1kΩ」
即ち、
「茶」「黒」「赤」
でなければならなかったのだ。
12オームだと、せっかくのデータリンク向けにドライブされたパワーが、ほとんどこの抵抗で消費されてしまい、ほとんど使い物にならなかっただろう。
オランダのおばちゃんがガム噛みながら、間違った抵抗をせっせとハンダ付けしたんだろうな。
それにしても、出荷時の検査(それがあったとして)をよくこんなもんで通ってきたもんだ・・・

パーツ屋さんに出向き、抵抗を購入し、とって返して、全部交換し、めでたく機能回復、人質解放となった。
 
毎年、1月になると思い出す。ご一緒した代理店の〇沢さん、お元気ですか。