区別・認識

今日の朝日新聞の「声」欄に、
『名前が無いものとは一体どこにあるのだろうか』
という一文があった。
認識されないものには、名前は付かないのだ。
現世でも未発見の生物には、名が無いし、過去の生物にも名が無いのはごろごろしている。
でも、生物をなんでも分類したがるのが人類の特徴で、リンネを嚆矢とし、一番の種を誇る昆虫の世界でも、所謂虫屋さんが今日も目を皿のようにして探している。
有名な生物学者が、「神は甲虫には、並々ならぬ熱意を注いだ。」と言ったそうだ。
甲虫の種類の多さを形容した言葉だが、新種の甲虫を探すのはたやすいか?
そうではない。
新種と旧種の差異を区別するためには、旧種をすべて区別して認識できなければならないので、返って難しいのだ。
人間は、一種類だけ。
人種という概念はある。しかし、念性が存在するため、ホモサピエンスという名の「人類」なのだ。