歌うネアンデルタール

最近邦訳が出たスティーブン・ミズン『歌うネアンデルタール』(早川書房)では、ネアンデルタール人は、現在の研究では色白な人々だったと考えられている。
彼らの遺跡からは、黒い塗料を作った跡がよく見つかるのだとか。
それは、白い肌に目立つようボディ・ペイントしたのではないか、あるいは、新たにアフリカからやって来た色黒のホモ・サピエンスの真似をして「ガングロ」系メークをしたんではないか、といった議論があるそうだ。
とある。
これは間違いではないか、と思う。
現代人の習性として、肌の白い人は、お化粧に「オシロイ」を塗るが、肌の黒い人は、お化粧に「オクロイ」を塗るのである。
過去と考え方が180度展開しない限り、やはりネアンデルタール人は白くなかったのではないかと、小生は思う。
 
また、最近の朝日新聞に「ネアンデルタール人は爪楊枝を使った」という記載があった。
これにもツッコミを入れたい。
何故そのようなことを気安く言えるのか。どのような裏づけがあってそのように書けるのか。爪楊枝を使いながら死んだネアンデルタール人の化石が存在するのか。
ネアンデルタール人以前にも、ある程度手の機能が発達した時代を遡る祖先が、つまようじ相当のことをしていた(そういうことができていた)と考えられるのではないか。
文意から、筆者は、爪楊枝の使用に関する歴史の古さを伝えたかったようだが、具体的な「ネアンデルタール人」と表記したのは、軽率であったと思う。