ポケコンのプログラム開発

一時期、パソコンができるということは、BASICができる、ということと同義語だった。
NECのパソコンにN88-BASICが標準搭載されていたので、RS-232Cポートを利用したちょっとしたデータ分析プログラムが比較的簡単にできたのである。
BASICは、インタプリタ言語なので、実装は難しくなかったようで、他のメーカのPCにも多数標準提供されていた。
今はもう無い某通信会社にいたころ、市外電話料金比較プログラムを作ったことがある。
発信地と着信地の電話番号をそれぞれ順次入力すると、NTTに比してその会社の電話料金が如何に安くなるかをダイナミックに表示することを目的としたものだった。
客先でデモをする必要があったので、起用したのはポケコン
これの実用にあたり、容量、ロジック、速度の点を解決する必要があった。
容量的には、全国の電話番号(0AB・J)からMAを特定するデータを収納する必要があり、
ロジック的には、発信地のアクセスポイントまでの距離を算出→料金計算+中継区間距離を算出→料金計算+着信地のアクセスポイントまでの距離を算出→料金計算を合算し、
速度的には、入力後瞬時に表示できなければ、用を成さない、というもの。
 
最初のバージョンは、プログラム容量的にポケコン内に収納できなかった。
データ収納方式を見直しして、解決。
次のバージョンは、電話番号からMAを特定するのに、時間がかかり過ぎた。
数字が入力される毎に検索アルゴリズムを走らせるよう改良して、解決。
これにさらに、電話料金実時間表示も可能なように改良して、完成を見た。
ポケコン購入配布の稟議に便宜を図って下さった磨見さんには今でも感謝している。
さて、そのプロジェクトを成し遂げたその年の暮れに、転職した。
その後、プログラムメンテされることなく、ポケコンもどこかにいってしまった・・・と人づてに聞いた。少し、寂しかった。