ニッパを爆発させた話

1991年、某外資系会社に勤めていた頃の失敗談。
電磁誘導を利用したオンサイトページングシステムを某社某研究所に納入した。
ビル内の要所要所に送信機を設置したのだが、外国製品のため、動作電圧は200V系。
そのため、昇圧トランスを送信機とペアに設置する必要があった。
昇圧トランスは、ACプラグ付コードとトランス本体で納入され、設置自体は工事会社で施工された。
納入検査時にお客様から、「ACコードが長すぎる。適正な長さに整えられたい。」旨のご指示を頂いた。
工事会社は、仕様機能を実現するだけが目的なので、現物支給品を用いての施工に全く問題なかったのだが、とぐろを巻く余剰コードの存在を美的センスが許さなかったのであろう。
そのような簡易な手直しならば、(当時の)会社で十分対応可能なので、ビル内各所を巡回しACコード短縮作業を行った。
で、順次こなし、問題の現場・男子更衣室に・・・
ACコードは、当然ACアウトレットに接続されているので、まずプラグを抜き適切な長さに調節する・・・のだが、そのときは、なにを思ったか、自分でもよく分からないが・・・
活線状態のACコードにニッパを入れ、パチンと切断しようとしたのだ。
ところで、「ニッパ」とはこれ。
http://www.3peaks.co.jp/tool/electric.html
「バン」という盛大な音と、明るい閃光が目の前で炸裂した。
気を取り直して、手先を見ると、そのニッパの尖端の刃が無くなっていた。確認したが、他に被害が無かったのは不幸中の幸いであった。
たまたま、当該ビル階内のお客様は全員何かのセレモニーで無人状態であった。更に、電源系のNFBが短絡による過電流でトリップすることもなかった。そのため、その誤作業が余人に知られることはなかった。
また、(当時の)会社にもかっこ悪くて黙っていた。
人間、なにかの拍子にぽかをすることは、十分あり得る。そのためのフールプルーフを講じることは本当に必要であると思った教訓である。