岩石から読み取る地球の自叙伝

マーシャ・ビョーネルード著
渡会 圭子訳
出版 : 日経BP社
ISBN : 4-8222-8301-1

地球の寿命から比較して須臾の存在の人間であるが、現在手に入る化石等を通して過去の事象を推測することができる。
現物を分析するのは、人間であるのでその時々の時代背景に囚われることは仕方がない一面がある。
例えば、キリスト教の教義からすれば、本来進化論は有り得ないことであった。
どうやら過去の人類化石が進化の手がかりになりそうだと判りかかった頃には、ピルトダウン事件が起こっている。
またバージェス頁岩(けつがん)に見られる化石の解釈の変遷については、スティーヴン・ジェイ・グールドの「ワンダフル・ライフ」に詳しい。
学者の野心立場環境により研究結果が異なるような紆余曲折を経ながらも、道理が通った解釈のみが後の世に伝えられる。
本文中、「アノマロカリス」の現在名は「ラガーニア・カンブリア」である、との記述が数箇所見られるが、ウィキペディアでの解釈とは異なるようだ。