三葉虫の謎

―「進化の目撃者」の驚くべき生態
ISBN:9784152084446 (4152084448)
早川書房 (2002-09-30出版)
著:リチャード・フォーティ
訳:垂水 雄二
三葉虫とは、5億3500年前のカンブリア紀から栄え、2億6000年前のペルム紀に亡んだ、あの節足動物、である。
いわゆる古生代を代表し、その化石は示準化石としても用いられている。
ということは、数億年間に渡り地球上の海全体にその一族が代替わりをしつつ繁栄した、ということである。
著者は、三葉虫の専門家で豊富な薀蓄を披露してくださる。
化石は三葉虫の甲羅で、炭酸カルシウムでできている。内側の内臓と脚部は化石からは失われている。
ある幸運から、ケラウルス・プレウルクサンテスムという種類で、付属肢付き化石が発見され、全体像が見えてきた。
化石は平べったいが、生きている間は団子虫のように丸くなって外敵の捕食から身を守ったようだ。
色々な形態に進化したが、最終的にはトゲトゲのおどろおどろしい化石を残し絶滅した。
魚類が進化し、ニッチを失ったようだ。
書中、古生代(カンブリア紀オルドビス紀シルル紀デボン紀石炭紀ペルム紀)の文言が当然の如く出てくる。
門外漢用に、各紀で栄えた代表的な種類を著した図表があれば更に理解が深まったと思う。