アダムの旅

副題:Y染色体がたどった大いなる旅路
著:スペンサー・ウェルズ
訳:和泉 裕子
バジリコ (2007/02/05 出版)
ISBN: 9784862380258
約5万年前にアフリカから拡散を始めた現生人類が如何に世界各地に広がったかを、(男性が持つ)Y染色体分析から解き明かした本。
親から子に半分づつ遺伝子が受け渡されるが、子は「両親割る2」とはならない。
今生きている人は誰でも、両親と自分とを区別する全く新しい突然変異を約30個持っていることになる。(p41)そうだ。
フマーネ、ショーヴェ、ペッシュ・メール等の約3万5千〜3万年前前の洞窟壁画について、一部の資料ではネアンデルタール人が描いたかのような記載があるが、れっきとした現生人類であり、遺伝子配列も全く違うことが確認されている(p204)
Y染色体分析結果から得られる内容は、2007.11/3に「人類の足跡10万年全史」で紹介されているものと殆ど結果的に同じ、である。
もちろん、悪い意味ではなく、そのようなことが過去に起こったという再確認である。
読む順番としては、本書からの方がとっつき易いと思う。