もっとも美しい対称性

著:イアン・スチュアート
訳:水谷 淳
日経BP(2008/10/20 出版)
ISBN: 9784822283681
帯に
「数学者・物理学者が見出した対称性の美の本質。
代数方程式の解の存在性から量子の挙動まで説明できる「群論」という強力ツールの発展。」
とある。
歴史的な数学・物理学者の伝記を皮切りに、今日我々が利用するジャンボジェット機や携帯電話機等の科学応用機器は、営々と先人から受け継がれてきた理論を学習展開することが基本になっていることを説明する。
諸所内容は、難しく理解できないところがあったことを告白するが、だからと言ってこの種の本は避けるべきではなく、現代の先端科学者がなにを成し遂げたかという基本を概観するために、大変参考になる。
p344に、
数学の深遠な問題に対する研究を、直接応用できなさそうだという理由だけで拒絶したり軽視してはならない。
とある。
2002年、カミオカンデノーベル賞を受賞した小柴昌俊東大名誉教授に対し、記者が「それは何の役に立つんですか。」と聞いたという。
悲しいことである。