ITB収納箱

新幹線駅ホーム上屋にはホーム上を監視するカメラが設置され、中程にある駅員詰所でモニタされている。
特に、ホーム端に向けてのカメラでの監視が結構大切で、挙動不審者が現れると早めにフォローすることが大切だそうだ。
というのは、自殺願望者がまま出没することかららしい。
大きな駅の場合は人目が多くあるのだが、西明石駅のようなローカル(!)駅ともなると、その昔の新幹線改札は停車電車接近まで閉めていることもあり、無用の人物がホームに上がれないようにはしているのだが、それでもふらふらする人物がいた場合、駅の方で気をつけないと最悪の結果になってしまうことがあった、そうだ。
人間の約60%は水分でできているので、200km/hで突進する通過車両の真正面に立つと、水風船をバットで叩いたように粉微塵(の肉片)になってしまう。
後始末が大変なので、そのような他人に迷惑をかけるようなことはしないように。
閑話休題
監視カメラのことであった。
これは、別名「工業用テレビジョン:Industrial TeleVision」の略、ITV:アイ・ティ・ヴィ、のことである。
ところが、なかなか発音がしづらく、ややもすると"アイテービー"が現場の共通語になっていた。
ITV機器の予備機カメラを配備することになったが、一種の真空管であるVidicon(ビジコン)管のため、保管用の木箱を小村検査長が作った。
でき上がった箱には、字が上手な平田検査長が表題を書いた。
「ITB収納箱」と。