ビジュアル版 地図の歴史

著:ヴィンセント・ヴァーガ+アメリカ議会図書館
訳:川成 洋 太田 直也 太田 美智子
東洋書林 (2009/05/28 出版)
ISBN: 9784887217577
アメリカ議会図書館が所蔵する貴重な古地図を元に古今の地図の成り立ち、意味を紹介する本。
流石、貴重な収集物を誇るだけある内容。
ヴァルトゼーミューラーが、アメリゴ・ヴェスプッチによる1507年の「(南)アメリカ」大陸の発見を地図に記した貴重な図版も掲載されている(p312)が、当時の公式情報では、まだアメリカは大陸とは確定していなかったので、今でもその理由は不明だそうである。p318
地図の意義とは、下記の言葉に集約されると思う。
地図は歴史的文脈において存在しているのだ。元来、新世界のスペインはクストファー・マーロウの『タンバレン大王』の考え方を抱いていた。「地図を持て。そうすれば、余の征服する場所がどれだけこの世界に残っているのか、わかろうというもの」。p340
 
p244中、ハジ・アハメド ハジ・アフメド の表記が不統一。
p319中、1405年から始まる明の大航海の指揮者について触れていないが訳注ででも、「鄭和」とでも注釈が欲しい。
p349中、アリゾナとメキシコの州境にあるモレロス・ダムが・・・とあるが、これはアリゾナカリフォルニア州境にあるインペリアル・ダム、ではなかろうか。