生命 最初の30億年

―地球に刻まれた進化の足跡-
著:アンドルー・H・ノール
訳:斉藤 隆央
ISBN: 9784314009881
古代カンブリア紀以前の地球環境を、現在得られる化石・地層の分析結果から説き起こし、如何に地球上の生物が進化してきたのかを著した本。
訳もこなれて読みやすい。
ティーヴン・ジェイ・グールドの「ワンダフルライフ」では、カンブリア記に生物爆発があったと記し、その後批判を受けているが、この本でもそれ以前から多様性が育まれていて決して「爆発」したものではない、ことを順序だてて示す。
真核細胞の起源を説明する、葉緑体ミトコンドリアとの細胞内共生「ガイア」の概念を米国で唱えたリン・マーギュリスは、かつてあのカール・セーガンの奥さんであったことがあったことは知らなかった。
かつて広範囲に氷河が広がったと唱えたのは、ブライアン・ハーランドによる1964年で、
全地球凍結「スノーボール・アース」説が、ジョー・カーシュヴィングにより紹介されたのは1992年、とある。(p289〜295)ほんの最近のことなんだ。
著者は明確には述べていないが、太陽系第三惑星がもう一度45億年経過しても、人間は発生しなかった・・・と思う。