望遠鏡以前の天文学

−古代からケプラーまで-
編:クリストファー・ウォーカー
訳:山本 啓二、川和田 晶子
出版 : 恒星社厚生閣
ISBN : 978-4-7699-1085-5
ガリレオニュートン以前の肉眼観測で行われていた、云わば「天文学先史時代」を古代文書から解説した本。
現在では、ユリウス暦グレゴリオ暦に厳密に変換可能なので、過去のヨーロッパの天文事象は特定可能である。
しかし、人類が歴史を刻むことを始めて以来、地球の自転が遅くなっていることから、単純に変換することはできないことにも言及あり、不足ない。
p334
(紀元)前50年頃(現存するバビロニアの観測記録が途絶えた後)から(紀元)後800年(ヨーロッパとアラビアの定期的な観測機録が始まった時)にかけて、ほぼ全ての現存する天文記録が、中国のものだけという事実
・・・
天変地異を、そのとき、目撃したすべての人が記録を残すわけでない。
ある程度、社会的な権威がある層の知識人が公的な記録の一環としての記載は、明月記のように後世に残っている。
しかし、かつて、そのような事柄が重視されなかった(或いは、忌避された)時期があったということの記載は大変興味深い。
p345、5行・・・ティコ・ブラーエ、13行目ティコ・ブラーへ、と表記不統一があった。
また、書中、一部専門的過ぎてついていけない部分があった。