水車・風車・機関車

―機械文明発生の歴史-
著:坂井 洲二
ISBN: 9784588276330
書名が、適当ではないと思う。
「水車・風車・時計」が適当、ではないかと・・・
副題も、欧州の機械文明発生の歴史が適当であろう。
日本では、明治維新後外国から一気に鉄の機械文明が押し寄せてきた。
欧州では、麦の脱穀・製粉に水車・風車を用いていた。
その中で生み出され・工夫されてきた各種の機械技術は、小規模のものから、大規模なものまで、継続的に工夫されていた。
筆者が触れているが、大阪の国立民族学博物館の展示品にヨーロッパの機械文化が明確に分かるような展示物はなかった、ように思う。
もしそれがあれば、人間の機械に対する考え方とか対応とかを学べる一つの道にもなるだろうと思った。
否応無い自然の営みに対し、如何に人間が工夫してそれに対応していくか、数々の試練を経る中で熟成・改良されるものである、との感慨を持った。