飛び道具の人類史

―火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで-
著:アルフレッド・W.クロスビー
訳:小沢 千重子
紀伊國屋書店 (2006/05/11 出版)
ISBN:9784314010047
人類が社会を構成し進化するなかで、他の動物とは違った点は、物を投げることと火を操ることであった。
特に、それらを組み合わせた「飛び道具」は、決定的な戦力として古今東西いろいろと工夫され発達した。
人を大量に殺す兵器は、一転地球外空間に人類を導いた。
フォン・ブラウン氏は、悪名高いV-2号を開発し、最終的にサターン・ロケットに至った。
V-2号が大量生産された秘密工場では、強制労働者が約1万人死んだが、英国でV-2号の犠牲になったのは、2,700人であった。(p226〜227)
非人間的な兵器のなんという皮肉。
兵器を語ると、とかく、枝葉末節に陥りがちだが、本書は掴みどころよく、武力から見た歴史を上手に語っている。