たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する

−日常に潜む「偶然」を科学する-
著:レナード・ムロディナウ
訳:田中 三彦
ダイヤモンド社、2009/09/17 出版
ISBN:9784478004524
先日なにかのTV番組で見た「モンティ・ホール問題」が紹介されていたので驚いた。
カルダーノの「標本空間の法則」の実例で、天才マリリン・ヴォス・サヴァントが有名にした「レッツ・メイク・ア・ディール」が重要な主題として取り上げられている。
曰く、直感はすべての選択肢を把握できない。
著者は1989年に、「10年以内にあなたが死ぬ確率は一〇〇〇分の九九九」との宣告を受けたが、2008年に本書を著した。
著者の場合、スクリーニングテストの誤差(偽陽性)により、誤った宣告を受けた。科学者の著者は即時に本質を見抜いたが、一般人なら即時に落ち込む結果である。
また、利き酒テストが如何に先入観にされるかを、ワィンの格付け(p194)及びウォッカ(p317)で述べる。
それによると、「グレイ・グース」や「ケテル・ワン」よりも「スミルノフ」が上になったとのこと。
真珠湾攻撃も予兆があったが、実際に攻撃された後それが報告されて、文字通り後の祭りであった。
広島・長崎も、B-29の飛来は無電で掴んでいた・・・が生かされなかった。
後から、とやかく言うことはたやすいが、「未来は起こってからしか理解できない、というもどかしさ」(p296)
偶然の働きに惑わされず生きること(p317)である。