銀河〈2〉銀河系

「銀河〈2〉銀河系」〔シリーズ「現代の天文学」第5巻〕
編:祖父江 義明 有本 信雄 家 正則
日本評論社 (2007/04/25 出版)
ISBN: 9784535607255
私たちが住む天の川銀河を現在の科学の視点から分析している。
p109に、銀河中心の模式的な俯瞰図が示されている。
ここでの注目は、銀河の回転方向である。その回転方向は、右回りとなっている。
もっとも右回りか左回りかは、観察者の視点により決定されるものである。
太陽系は、模式的には、左回りで示される。
それは、地球の北極を「上」とする、北半球視点の地図の制作上の今までの歴史からそうなっているためである。
現に、オーストラリアでは上下逆な地図が販売されており、それは南が上、となっている。
宇宙視点では、上下の概念は、あまり意味をなさないが、どちらかに視点の基準を定めないと統一した表記ができなくなるので、都合上定められている(と思う)
で、銀河系はなぜ右回りか?
銀河の中心を元にした系を考えると、銀緯と銀経が定められる。
地球の赤道座標と銀河の銀河座標は、62°52'傾斜している。
天の北極と銀河北極は、27°48'の傾斜で天の北極側に存在している。
これを基準にした観察上から、銀河系は「右回転」とされている、とのことのようだ。
なお、p240に、
非常に若い星であるウォルフレイエ星
とあるが、「進化段階の末期にある」という注記のように、
非常に古い星であるウォルフレイエ星
が正しいのではなかろうか・・・