図説 世界史を変えた50の鉱物

著:エリック・シャリーン
訳:上原 ゆうこ
原書房(2013/02)
ISBN 9784562048717
著者はイギリス人。
「鉱物」とあるが、金属、合金、岩石、有機鉱物等を取り上げて、「英国人」の観点から世界史的観点から述べた本。
銅と錫の合金である青銅は、自然状態では存在しないことから、人間がそれを得るために、交易が始まり、支配権のやりとりが戦争へと発展した。
かつては鉄を鍛えた鋼製の武器を携えたヒッタイト周辺諸国を統一したと考えられていたが、近年の発掘で鉄製品はそれをはるかに遡って製造されていたことが明らかにされている。
ひとくくりに「鉄」といっても、含有する成分でその性質は異なるので、武器に有用な一品が完成するまでには、年代を経ることが必要であり、一口にはなかなか言えないらしい。
大理石の項では、第七代エルギン伯爵が、当時荒廃していたアクロポリスの丘に散乱していた大理石群を略奪から守護する目的をもって合法的に保護した・・・と述べている。
第一次産業革命は、たまたまブリテン諸島に石炭の鉱床があったことに大いに関係があったことがよく理解できた。
歴史に、もしも、は無い、ことを再認識させられた本であった。