錯覚の科学

著:クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ
訳:木村 博江
文春文庫
ISBN:9784167901769
我々が、普段「見ている」と思っていることは、如何に「見ていない」か
我々が、普段「覚えている」と思っていることは、如何に「覚えていない」か
我々が、普段「分かっている」と思っていることは、如何に「分かっていない」か
我々が、普段「信じている」と思っていることは、如何に「信じられない」か
我々が、普段「直感」と思っていることは、如何に「あやふや」であるか
を、気づかさせてくれる本。
2010.12/28にも触れているが、著者は「見えないゴリラ」を広め、イグ・ノーベル賞を受賞した実績がある。
俗説がいかに根拠なく流布しているのかを説くが、特に、
モーツァルトを聞くとアタマが良くなる効果」
が事実無根、との紹介には驚愕した。
また、「サブリミナル効果」もありえないとの説明には膝をたたき、
さらに、「脳トレ・ソフト」では認知能力向上は見られないとの意見には納得。
集団のリーダになる人間は、最初に発言する性向があり、それは優秀だからとは必ずしも限らない(p150)・・・という内容は、
正論は通らず、大きい声の方が通る・・・ということと共通である。