21世紀の資本

著:トマ・ピケティ
訳:山形 浩生/守岡 桜/森本 正史
みすず書房(2014/12発売)
ISBN:9784622078760
著者は、英語読みすると、「トーマス・ピケティ」となるのだが、フランス人なのでこのような読み方になっているのであろう。
原題は、
LE CAPITAL AU XXIe SIECLE
直訳は、「21世紀の資本論」
この表題の付け方は、かのカール・マルクス
DAS KAPTAL
資本論
に依っている(と思う)
イギリスのロンドンの大英博物館の一階の展示室で、その初版本を見たことがある。
本書は600ページを超える大著だが、本家の「資本論」比べるとかなり凝縮したのだろう。
内容はとっつきにくいかというと、そうでもない。
古典文学作品(ゴリオ爺さん)に出てくるリーブル、エキュ、フランの持つ価値の分析から始まるので、なるほどと思わせる記述から始まるのでそんなに気負うことはない。
いままで知らなかった各国の戦後歴史の記述も興味深い。
さて、その内容は、
最も裕福な0.1%の人たちが、平均およそ1000万ユーロ、つまり成人一人当たり世界平均資産6万ユーロの約200倍の資産を所有しており(中略)世界の富の総合系の約20%を所有してしている(p454)
しかも、その差は基本的に広がる一方であるという根拠を数字:r>gを挙げて論じる。
もう一般人が成り上がるすべはないのか・・・
 
一点、
映画「タイタニック」の引用で、ホックニー、とあるが、これは
ホックリーではないか。
ウィキペディアでは、Caledon Hockley、とある。
フランス語的には、ホックニーとなるのか・・・