言語を生みだす本能

著:スティーブン・ピンカー
訳:椋田直子
ISBN:9784140017401/9784140017418
NHKブックス
著者が1994年(40歳)のときに上梓した本。
和訳で入手可能な中では最初のもの。
人間が言語を何故話すのかを解説している。
言葉を喋ることにおいては普遍性があるので、なぜどのようにしてそれを習得するようになるのか、そのメカニズムを説き起こす。
英語圏の内容に重きをおいているので、多少分かりずらい箇所があった。
 
言葉の二義性について(上巻p282〜283)
Time flies like an arrow.
について五通りの解釈があると記す。
・時間は矢が進むと同じように速く進む
・矢の速度を測定するのと同じやり方でハエ(flies)の速度を測定(times)せよ
・矢がハエの速度を測定するのと同じやり方でハエの速度を測定せよ
・矢に似ているハエの速度を測定せよ
・ハエの一種である「タイムフライ」は矢を好む
がある。
ウィキペディア自然言語処理には、更にもう一つの追加の解釈:
・TIMEという雑誌は、投げると直線的な軌跡を描く
が追加されている。
 
猿に言葉を教えるプロジェクトにカール・セーガンが出てきて、
チンパンジーを訓練した側の主張を頭から信じすぎている・・・と批判されている。(下巻、156〜157)
そこでこの天文学者のパートナ名は「アン・ドライアン」となっている。(セーガンの著書では、アン・ドルーヤン、となっている。