チベット遠征

著:スヴェン・ヘディン
訳:金子民雄
中央公論新社
2006/01/25出版
ISBN:9784122046368 (412204636X)
ヘディンといえば、「さまよえる湖」ロプノールを世界に紹介したことで知られる。
本書は、それ以外のエリアであるチベットを1896年から1908年にかけての探検した記録である。
当時、ラサは外国人立ち入り禁止であり、ヘディンも変装までして接近を試みるも失敗したいきさつが述べられている。
現代は、懐事情と暇さえ都合つけば青蔵鉄道で陸路アプローチが可能であるので、時代を感じる。
チベットが如何に人間に厳しい環境であるかについてを語る。
長男以外の男性は、分家しても生業を得ることが絶望的に難しいので、再生産をさせないような仕組みとして宗教が取り入れられた。
その僧侶達の禁欲的な生活も記述する。
巻末付録に、「ヘディン・チベット探検図」がある。
が、本文中の記述と見比べても訪問地との対照がなかなかできない。
どこどことあっても、地図中にその地名がなかなか見つからない。
巻末絵図とグーグルマップで左上の「レー」と右下の「ラサ」を重ね合わせた。
なかなか難しいね。