習慣の力

著:チャールズ・デュヒッグ
訳:渡会 圭子
講談社(2013/04発売)
ISBN:9784062816472
デール・カーネギーの銘著「人を動かす」
(読んだこと、ありますよね?)
のように、米国では、実務的に役立つ本が発行され、読まれている。
本書も、よく知られた事実を掘り下げた実例を皮切りに、自己啓発に役立つ領域が含まれる。
個人の習慣を少々変えることで、最終的には素晴らしい結果につながる、ことを紹介する。
習慣には「悪い」ものと「良い」ものがある。
「悪い」方の代表は、「喫煙」であろう。
では、なぜ「悪い」と知っていて止められないのか。
それは、ニコチンがもたらす「報酬」感である。
ニコチン欠乏を感じたときに、別の「報酬」を得られるように自分を仕向けることで喫煙習慣は止められるという。
この習慣は、自分で分析して意識しない限りは、改めることはできない。
特に「他人」から言われたことは、どんなに有益な助言であろうとも、「自分」から「習慣」を変えようとしない限り、無力となる。
生活を複層化し豊かにすることができる有益で文化的な習得事項について、その内容を話したことがあるが、すべて、馬の耳に念仏であった。
他人からの言葉は、右から入って左に抜けるのだ。
自分がどのようにしたいか、それを決めるのは自分である。きっかけは、「習慣化」すること。それだけである。
本書は、それを成すためにはどうすればよいかを示している。
読むだけではなく、それで自分がどのように変化するのかのヒント:報酬をどのように見つけるか・・・について分かりやすく語る。
米国公民権運動の発端:ローザ・パークス逮捕事件を通して、多様な意見を持つ複数人で構成される社会でも、社会的習慣が変革し大きな流れになっていくことがあることを述べる。
この部分は、ウィキペディアの表層的な記述よりも掘り下げた内容で、大変興味深い。