最新世界周航記

岩波文庫
17世紀に英国私掠船の乗組員であった著者:ウィリアム・ダンピアの、当時「最新」の世界一周記。
当初は、パナマ地峡付近のスペイン船に対して海賊行為を行っていたが、太平洋を横断し、東南アジアを経由してイギリスに帰還した。
日々の出来事を詳細に書き残すことで、当時は一般には知られていなかった世界紀行情報が売れたことであろうことは疑いがない。
当時、テラ・インコグニタであったオーストラリア在住の人々の描写はまことに興味深い。
帰国後、有名になったことから探検船の船長として世界周航したが、どうも責任者たる資質には欠けていたような内容が解説にあった。
人を導く能力と、モノを記録する能力とは両立しないところが面白い。