信長公記

著:太田 牛一
訳:榊山 潤
ちくま学芸文庫 2017/2/8
ISBN: 978-4480097774
信長公記』(しんちょうこうき)は、織田信長の家臣であった太田牛一が著した、信長の一代記である。足利義昭を奉じて上洛してから本能寺の変に斃れるまでの15年間の足跡がとりわけ詳細に書き記されている。(内容:「BOOK」データベースより引用)
日本人が記した物語だが、年代を経て"訳者"が必要となっている書物。
稀代の人物像を描いて、仮に著者が記さなかったら、信長像はこれほど後世に伝えられなかったであろう。
過去のNHK大河ドラマの各エピソード
・信長のうつけ物の装束(p32)
・信長の父信秀葬儀時の振る舞い(p34)
・信長の斎藤道三との会見(p38)
・信長の弟信之の殺害(p52)
・信長の桶狭間の戦いの前の舞(p65)
・信長の桶狭間の戦いの描写(p69)・・・年と戦法に諸説あり
・信長の比叡山攻め(p148)
・信長の浅井長政への復讐(p194)
・信長の蘭奢待切り取らせ(p196)
・信長の本能寺の変の応答(いかなる者のしわざか。明智の手の物と思われます。p482)
のネタはすべて本書からのアレンジであると思われた。
昨年の真田丸の真田親子は直接には言及されていない。真田昌幸は、滝川一益の配下であったからか。
一方、「真田丸」第12話「人質」の鉄火起請(てっかきしょうp79)は、本書首巻の当該記載部のオマージュ、と思う。
武田勝頼が武田家重心小山田信茂に裏切られた切ないシーン(p449)は、三谷幸喜脚本の愁眉と言えよう。