すごい進化

-「一見すると不合理」の謎を解く-
著:鈴木 紀之
中公新書
2017/5/19
世代をまたいだ変化の過程が進化の本質である(p3)
よく「イチロー選手は進化している」というような表現を耳にしますが、これはイチロー選手個人の野球のスキルが上達したことを指しているのであって、世代をまたいで置き換わっているプロセスではありません。(p3)
「進化」すべてが合理的な理論に基づいた最適解では、無い・・・ことを分かりやすく述べている。
本書で紹介されているノーベル賞的な学説は、
有性生殖は無性生殖の二倍コストがかかる:それはなぜか・・・という進化学最大の難問についてである。
作者は、ハミルトンの「遺伝的多様性」を高めるという仮説も、マット・リドレーの「赤の女王仮説」も、二倍のコスト説を覆す説明には十分でないとしている。
ここで、無性生殖タイプと有性生殖タイプの交配を許容した仮説を紹介する。
龍谷大学の川津一隆氏が2013年に発表した一連のアイデアである。
世界の評価次第では、ノーベル生理学・医学賞にも繋がる・・・と見た。