知の果てへの旅

著:マーカス・デュ・ソートイ
訳:冨永 星
新潮社(2018/04)
原題:What We Cannot Know
著者は、、オクスフォード大学に創設された、一般科学啓蒙のために創設された:シモニー教授職として、かの有名なリチャード・ドーキンスの後を引き継いだ人物である。
分野は、数学。
純粋さについて述べた科学分野の図で、数学者の優位性を表現(p406)し、かつ新規情報をちりばめている。
確かに本書内には、
・夏志宏が証明した、惑星配置による無限速度に達するという特異的な運動p96
認知症に対する解釈p391
・「イリアス」「オデュッセイア」の、無意識vs意識の差異p393
等、そうなのか・・・という知見が方々にある。
というところで、数学者の著す科学史の書物の限界も露呈している。
p118~]p121で述べられている「ブラウン運動」。
自ら確かめることなく、「花粉」と「花粉の中の微粒子」を混同して描写している。
自分で確かめる:再実験を重視、しない“あたまでっかち”と言われても仕方が無いところかもしれない。