絶滅の人類史


―なぜ「私たち」が生き延びたのか-
著:更科 功
NHK出版(2018/01)
ISBN: 978-4140885413
本書の「主な人類」図版は、読書中の参照用として、実に分かりやすい。
今までに、同様の進化図を、
2014.10/23、カラー図解アメリカ版大学生物学の教科書〈第4巻〉進化生物学
2017.03/15、イアン・タッターソル著:ヒトの起源を探して
に掲載しているが、一番良いものと思う。
既出のものは、(良かれと思ったか)頭骨図を貼っているが、小さくてわかりずらい。
チンパンジーの系統とヒトの系統が分かれたのは、約700万年前のこと(p18)だという。
2018.06/15のデイヴィッド・M. ラウプ著:大絶滅
の、書物に例えた分かりやすい例示によれば、
日本語に変換して言い換えれば、350頁の本があったとすると、1頁:1千万年に相当する。
1頁に約800文字があると仮定すると、約12,500年/文字に相当する。
人類黎明期:約700万年前としたら、人類系統の歴史は巻末最終部に、560文字で記載することになる。
誤計算でなければ、そこそこの記述ができそうだ。
上記「ヒトの起源を探して」
では、およそ80万年前より昔には管理された火を使った明らかな証拠がないことである。p85
とあるが、本書では、
焼けた獣骨は、約100万年前のものだが、実際に火を使い始めたのは、さらに数十万年ぐらい遡る可能性がある。(p159)
と述べている。
2017.03/17のパット・シップマン著:ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた
では、ネイチャー誌にネアンデルタール人の絶滅は4万年前であったとする最新の学説が掲載された
とあり、本書でも、
約4万年前には絶滅してしまうのである。(p208)
となっている。
雑学:英語のスクール(学校)の語源はラテン語のスコレー(暇)らしい(中略)知的活動を暇な時にするようになったのは(中略)ホモ・エレクトゥスの時代だったようだ(p135)