好奇心の赴くままに

ドーキンス自伝1─私が科学者になるまで-
著:リチャード・ドーキンス
訳:垂水雄二
ISBN:9784152094575
早川書房:2014/05/23
訳者は、
彼が自伝など書くはずがないと勝手に思い込んでい(p421)
たと記している。
弊方も、中身はどうかな・・・と思い手に取ったが・・・
実に面白い。
ドーキンス本人に至る系譜、幼少をすごしたアフリカ、英国での生徒・学生時代の葛藤、信仰からの離脱、『利己的な遺伝子』を刊行するまで、について記憶の豊富さに目を見張る。
青少年期の学習について、
学生時代は、十代で無駄に消費されるにはあまりにもったいない。ひょっとすれば、熱心な教師たちは、ブタの前に真珠を投げる代わりに、生徒たちが真珠の美しさを評価できるだけの大人になるよう教える機会を与えられるべきなのかもしれない。(p204)
には、同意する。
創造論者が唱える内容に対し、
宇宙をデザインすることができるいかなる神も、自分自身をデザインする誰かを必要としたはず(p221)
と喝破する。