危機と人類

著:ジャレド・ダイアモンド
訳:小川敏子、川上純子
日本経済新聞出版社(2019年10月29日)
ISBN:9784532176792、9784532176808
「銃・病原菌・鉄」、「文明崩壊」「昨日までの世界」を著した著者の最新刊。
著者が実際に訪れたことがある各国の実情を踏まえて、個別に現代史を分析する。
フィンランドについては、北欧の先進工業国・・・という程度の知識しかなかったが、ロシアと接する国境線を持つことで、独特の国民性を育んできたことを知った。
意見を相違する人々に対する対応として、安易に抹殺するのか堅忍に妥協をするのかについて、話が速いか時間が掛かるか、の選択例を示す。
最近の風潮としては、二極化することを如実に反映した人物を政治家に選出することが多い。
本書は、歴史的な判断に委ねられることも含め、米国の現職大統領に対する直接の言及は避けつつ、言外に批判する。
実例を挙げられた各国の住民は、本書に内容をどの様に読み反応するのか、興味がある。