この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

著:ルイス・ダートネル
訳:東郷 えりか
河出書房新社(2018.09)
ISBN:978-4-309-25325-1
「僕らの知っていた世界は終わりを遂げた」・・・後、仮に生き残っていた人々に、再度、かつての(滅亡直前の)?繁栄した社会をどのように取り戻すことができるか、を解説した本。
コーマック・マッカーシーの小説『ザ・ロード』にあるように-殺風景で暴力的な光景(p8)から、生活再建を果たすために、生存者に必要な手引書、を標榜している。
現代社会を復興するために高々3百五十頁程度で全てを記述することはできない、と思う。訳者も、一種の思考実験をテーマとする、と述べている(p315)
現代工業の世界的な連携は、それらが一度失われると二度と再建はできないであろう。

ともあれ、喪失されてしまったものを再度発明するためには、過去の発明品の歴史を探求する必要がある。
興味深いのは、「一輪手押し車」。これは中国でAD100年頃壁画が残っているが、欧州では1250年頃まで言及されなかった(p19)この歴史は、ウィキペディアにも記載がない。

紡績のための、紡錘フライヤーはダ・ヴィンチによって考案された(p109)とあるが、ウィキペディアに依ると、間違い。

ボルタ電池は、1800年に銀と亜鉛の円盤を塩水に浸して作られた(p188)とある。
それは、「ボルタ電堆」
歴史的な「ボルタ電池」は、銅板と亜鉛板及び硫酸とウィキペディアに記載されている。

p255に、静止衛星が肉眼で見える・・・とあるが、本当だろうか?