神々の沈黙

―意識の誕生と文明の興亡-
著:ジュリアン・ジェインズ
訳:柴田 裕之
紀伊國屋書店(2005/04)
ISBN:9784314009782
600頁を超える大著。
人間は如何に「意識」を持ったのか? という疑問に筆者なりに解決策を提示した本。
切り口としては、斬新な説得法だが、p142~3で、
今呼んでいるこの行の真ん中にある単語を見ているとき、真ん中より左側にある単語はすべて、脳の右半球だけで見ており、右側の単語は左半球だけで見ている
という記述に当たった時、その西洋主観的な内容に落胆した。

イーリアスでは、人々は神の声によってのみ行動し、意識は無かった・・・と主張するが、
それは文学的な表現法のひとつであろう。
“神”が、結局人間に対し“言うだけ”の存在ならば、意味がない存在であると思う。