―北京原人を発見した「異端者」と進化論の発展-
著:アミール・D.アクゼル
訳:林 大
早川書房(2010/06)
ISBN:9784152091390
本来ならば、優秀な進化論科学者になっていた人物(ピエール・テイヤール・ド・シャルダン)が、物心付く頃に浸ってしまった信仰の軛に捉われてしまったにも係らず、「北京原人」の発見に携わった結果、“無理ゲー”感溢れる考えを捻出してしまった・・・という物語。
時代背景が、第一次/第二次世界大戦を含んだ頃だったので、その後の人類進化の各種発見と整理が成される前の知見を基にした限界、という点もあったのであろう。
“ピルトダウン人”捏造事件に関わり、スティーヴン・ジェイ・グールドから「詐欺に引っかかった」と指摘されていた件について、筆者は「無実」との見解である。(p259)