シャーマンの弟子になった民族植物学者の話

著:マーク・プロトキン
訳:屋代 通子
築地書館(1999/09)
ISBN:9784806711834/9784806711841
南米アマゾン地帯の(所謂)インディオの生活に飛び込み、各種の有用植物の効能を現地のシャーマンから聞き出した作者の冒険譚。

上巻p75で、
イギリスの偉大な生物学者J.B.S.ホールデインは、自然の研究に捧げた長い一生の晩年に、創造主について何か学び得たかと問われ、こう答えている。「ええ、主が虫をことのほかお気に入りだとういうことがわかりましたよ!」
これについては、2005.05/07では、
「(神様は)法外にカブトムシ類がひいきのようですな」(An inordinate fondness for beetls.)
と記しているので、“虫”ではなくて「甲虫」の方がより正確であろう。

「ジャングル」の語源は、ウィキペディアでは、
森林の相のひとつ。熱帯雨林地帯における密林。
とあるが、本書では、
サンスクリット語で、「入り込めない」を意味する“ジャンガラ”からきている(上巻p99)
と、より具体的。

インディオの言い伝えに「ベーリング海峡横断」の記憶がある(下巻p46)
のは、興味深い。

その道の達人から情報を得る作戦として、かのジャード・ダイアモンド(ママ)教授のことが、ニューギニア鳥類の世界的権威として出てくるのが面白い。(下巻p77)