ネパール・チベット珍紀行

著:ピーター・サマヴィル・ラージ
訳:大出 健
心交社(1990/05)
世界紀行冒険選書
ISBN:9784883020058
原題:To the Navel of the World(世界のヘソへの旅)
1980年代(?)の“秘境”への旅行記
ニセビザでネパールからチベットに侵入し、ヒッチハイクをしながら文化大革命の遺構をリポートする。
年代的には、スヴェン・ヘディン、河口慧海の明治の先達者に加えて西川一三:ロブサン・サンボーの1940年代からすると、かなり現代の旅行記となる。
が、外国人の入域を締め出している地域では、外国人を始めてみた・・・という人々との遭遇がある。
一旦“ヒトズレ”してしまうと、低俗化は避けられない宿命で、著者も嘆いている箇所が処々に見受けられる。
当初「ヤク」に乗っての旅を模索するころの話は冗長だが、チベット潜入以降は俄然面白くなる。
p86の“オーストラリア帽”は「オーストリア帽」のことだろう。
p196の“ナメクジ”は「ナマコ」のことだろう。