―意識は傍観者である-
著:デイヴィッド・イーグルマン
訳:大田 直子
ハヤカワ文庫NF(2016/9)
ISBN:9784150504755
自分は自分で脳を含む前部を制御していると普通の人は思っている。
しかそうでは無かったら・・・
人間は直面する諸問題を解決するために、無意識下半ば自動的に対応するよう進化してきた。逆にそうしないと、眼中のもろもろの情報に煩わされて、次の動作が取れなくなる。
前部帯状回(本書では帯状回前部)と呼ばれる脳内領域。
矛盾を監視するこの領域のおかげで、両立しない考えはどちらかの側が勝つことになる。(中略)しかし、脳損傷の特別な状況では、この仲裁システムが損なわれることがある。その場合、意識にとって矛盾はなんの問題にもならない可能性がある。(p205)
曰く
・テロが横行する国家から自国を守るための“特殊軍事作戦”である
・わが軍は解放者で、他国に対して攻撃・侵略していない
・先方の死傷者は「自作自演」、逆に我が方が攻撃を受けている
さる国の指導者は、この矛盾状態が自己認識できない「疾病失認状態」にあると、判定する。
一個人の脳内のみならず、集団発生している状況下にある。