小さな大世界史

-アフリカから出発した人類の長い旅-
著:ジェフリー・ブレイニー
監訳:南塚 信吾
ミネルヴァ書房(2017年09月)
ISBN:9784623071401
本書は、世界史の副読本に相当する。
歴史的な偉人どーしたこーしたという正統的な世界史教科書とは、やや違った角度から、その時代を描写するエピソードを主体に構成している。

内容には、正確性でやや不満が残る。
p4:最後の恐竜が絶滅したのは、約6400万年前である・・・最新説では6500~6550万年前
p33:アフリカ人は、(中略)サツマイモ(中略)を初めて育てた・・・中南米原産が定説
p51:紙は、(中略)エジプト独自の発明であった。・・・正確に「パピルス」と記すべき
p53:最大のピラミッドは、高さ146m、つまり50階建てのビル・・・40階建てに相当
p78:紀元前5000年頃になると、あぶみ-実際には、革ひもにつるされた金属の足のせ・・・「木製鐙」でも紀元後の発明
p135:平安京では仏教の寺を造ることが認められなかった・・・本当?
p243:日本では屋外において革の衣服を着る習慣があった・・・無かった
p286:マラリアは、(中略)「ハマダラ蚊」に咬まれることで広がる・・・刺される、でしょう
p333:放射能が遺伝子の損傷を引き起こす・・・放射線が遺伝子の損傷を引き起こす

以上、これらの内容を見ると、世界史の他のあまり知られていない内容もあるにはあるが、どうも信頼性に欠けるきらいがある。