―25の岩石に秘められた地球の歴史-
著:ドナルド・R・プロセロ
訳:佐野弘好
築地書館(2021年5月)
ISBN:9784806716181/9784806716198
地球が、この地面を構成する岩石が、どのようにできてきたのかを説明したい…
という願望は、聖書の記載内容を補完する理論を必要として、欧州の富裕層の趣味から出発した。
往々にして(大陸移動説のような)新たな学説は、嘲り・否定の対象となったが、後にその主張を証明する事実が収集されることによって主流となっていった。
本書は、そのような内容を岩石や地質現象を25章にわたり描く。
上巻で、アリゾナ州のメテオ・クレーターを取り上げている。
巷では、“バリンジャークレーター”として、ウィキペディアでもその表記となっている。
2004年、NHKで当該クレータの所有者一族の集まりを特番『NHKスペシャル 地球大進化~46億年・人類への旅』で放送した。
そのとき、その一族は自らの呼称を「バリンガー」と発声していた。
当該内容をウィキペディア内容を正確な表現に訂正する心算で校正投稿した・・・
が、今でも当該項目は“バリンジャークレーター”のままである。
世の中には、正しいことを表明しても、受け入れられないことがある。
という本書内容に即したことが起きている・・・ということだ。
また、下巻でK-Pg境界の原因についても、
「宇宙から来た岩石が絶滅の原因。たったそれだけのことだ」的な単純なシナリオは、化石記録からは支持されていない。(下巻p66)
というように、
・天体衝突
・デカン火山噴火
・海底面低下
というような複数原因を考慮する必要がある、とも述べて
科学に対して虚心に対応する心構えについても表明している。