悪文の構造

-機能的な文章とは-
著:千早耿一郎
ちくま学芸文庫
ISBN:9784480512635
これで悪文がなおる! 豊富な事例と図解で案内する明快な文章術
長文を避ける、主語を省略しない……。「悪文」を書かないための技術を分かりやすい指針と図解で案内する、明快な文章読本
本書は、「文の組み立て方(文型)」について特化した、表現技術について解説(p287)している。
元は、1979年に木耳社から出版されている。

・長文はダメ
・主語と述語を明確にする
・係り結びをしっかりと構成する
・「は」「が」の助詞を明確に
・修飾と並列関係を的確に
・句読点で変わる意味
・過剰な情報は無意味
・読み手を明確に定める
等、必要な条件を掲げている。

面白かったのは、知床旅情。(p219)
その歌詞、
今宵こそ君を 抱きしめん
岩かげに寄れば ピリカが笑う
について、
この「君」というのがだれだか分からない
①「飲んで騒い」だおおぜいのうちのひとりなのか、
②それとも「ピリカ(アイヌの美女のこと?)」なのか。
素直な解釈:①・・・二人がいるところに「ピリカが」表れる漫画的風景。
解釈として:②・・・だったら、「ピリカは笑う」であるべき。しかし、これだったら抱きしめようとした対象者がニヤリと笑った、薄気味悪い話
と断じている。

弊方もこの歌詞については、以前から疑問に思っていて、
「ピリカ」は(人間では無くて)鳥の種類のことなんだろうな・・・と勝手に解釈していた。