「この世でいちばん」を科学する

―惑星から音、温度、臭い、生物まで-
著:デイヴィッド・ダーリング
訳:黒木 章人
原書房(2024/09)
ISBN:9784562074334
現在得られている情報から、各種のドメインにおいて一番大きい・小さいを網羅することを試みた本。

内容の記述は、ウィキペディア内でも、本書と同様の内容が種々見られることから、一定の評価が得られていることが分かる。

p81で、残響と反響の音波異常の例として、
メキシコユカタン州のチチェン・インツァ遺跡のククルカン神殿のエル・カスティージョ外階段に面する広場で柏手を打った時の反響音・・・が挙げられていた。
これは、YouTubeで確認することができる。
その結果は、くっきりとした反響音は確認できるのだが、本書に記載されている、
聞こえるのは拍手ではなく鳥のさえずりに似た音だ。
とは、弊方には聞こえなかった・・・

更に指摘すると、p35~p41「限界を超えろ」で、音響の強度について解説されている。
筆者は、“音の強度”はデシベル(dB)で示される。(p37)
と述べるが、dBは相対比較用途であって、絶対強度は、「dBm」で表さなければならないことが説明されていない。
即ち、dBとdBmを分かっていない・・・ということ。残念。

日本語版校正時に誰も気づかなかったのだろうか。不思議。