十六の話

著:司馬 遼太郎
中公文庫(1997/01)
ISBN:9784122027756
著者が各所で著した16の文章を中央公論社が纏めた本。
各所に著者の博識が伺える。
特に、江戸時代大坂の町人学者の
・富永仲基:、釈迦が説いた内容を聴者が書き留めたという仏教の経典は、実際には釈迦の教説ではなく後世に創作されたという説
山片蟠桃無神論の主張、地動説の支持、応神天皇以前の日本書紀の真実性の否定説
等の話は、教科書に載っていないこともあり、今迄触れたことが無かった。

「幕末軍艦咸臨丸」という研究書を50年費やして個人的に書いた文倉平次郎の話も興味深い。

『小学国語』6年下(平成元年用)大阪書籍 1989年5月では、
私の人生は、すでに持ち時間が少ない、例えば二十一世紀というものを見ることができないにちがいない。(p384)
とある。
現に、著者は、1996年〈平成8年〉2月12日に鬼籍に入られている。
改めて、著者の偉大さを思う。