―自然実験が解き明かす人類史-
編著:ジャレド・ダイアモンド/ジェイムズ・A・ロビンソン
訳:小坂恵理
慶應義塾大学出版会(2018/07)
ISBN:9784766425192
もちろん、歴史は過去のできごとの記録であり、他の自然科学とは違い、再現実験は不能である。
が、現代得られている各種情報を基に、推定を施すことに依って、「何故?」という点を解明することを試みた本。
ジャレド・ダイアモンドが著すことによって、自然破壊・収奪の結果として、荒れた地域になってしまった・・・ということについて、
・ポリネシアの島々(特にイースター島)
・ハイチとドミニカ共和国
の分析がなされている。
所謂、先進国と発展途上国との具体的な比較指標として、
・小学校
・高校
・家庭用電力
・舗装道路
のインフラを比較している。(p202)
私的には、「洪水対策」挙げたいところだが、具体的な指標が難しいかも・・・
とにかく、何れも税金が、還元されているか否かの指標で、汚職で私腹を肥やす輩が多いと貧富の差が激しく、中産階級がなかなか形成されないということが分かる。
学問分野では、それぞれの論客が
・狭い範囲に取り組むケーススタディ
・統合や概括で広い範囲に取り組むシンセシス
について論じている(p269)
本書では、ケーススタディが、総体的結論の正しさを裏付けているという主張で、又違った見地で研究することも必要だと、問題提起しているように思われる。