本館が閉館するそうだ。
1988年頃だったか、営業目的で訪れたことがある。
待ち合わせは、独特の雰囲気を持った本館ロビーであった。
照度をさほどとっていないそこは、切子型を模した５連のランプが天井から下がり、柔らかな暖色系の光が満ちた演出は、
別世界に迷い込んだかと思わせるものであった。
静謐性を重んじるためか、顧客呼び出しはボードを持った係員がそこはかとなくベルを鳴らしなら壁際を通過する方法であった。
応対した下さった方は、「レストランでお召し上がりになったメニューはすべて記録されています」
とおっしゃっていた。
後日、開業記念パーティもそちらの宴会場で行われた。
お客様主体の宴が終わった後、社員のためのささやかな飲食が行われた。
そちらで戴いた、握り鮨のうまさと、珈琲のフレッシュさに驚いた。
いまでも忘れられない思い出である
