Five o'clock shadow

夕刻、何気なく手の甲が顎の先端触れると、ザラッとした感触。
あっ、
"Five o'clock shadow"
だと気付く。
朝、出かける前に髭剃りをしてつるつるに仕上げても、
夕方には、多少伸びてくる。
これを、「5時の影」と呼ぶ・・・
のを知ったのは、花椿資生堂発行の企業文化誌である。
母親が農協に勤めていて、化粧品を大量に購入していた頃があった。
瀬戸の化粧品店に出かけるときにつき合わされることがよくあったが、
こちらはなんにもすることがない。
ので、店内にある件の冊子を手に取った。
都会の洗練された生活の内容を、遠くの地方の町から垣間見ていた中に、
「ファイヴ オクロック シャドウ」
があった。
なるほど、そんなことがあるのか・・・それをそう呼ぶ感性は、なかなかのものと感心したので海馬が働き、心の奥底に収納した。