たまたま読む機会があった。

一読、予定路線と言う感。
最初は自然風物描写に優れた小品から入り、4月の春の気分を愛でる。
中頃、
(難しい年頃だから)自分を殺して我慢することを教える作品が、入る。
孤高が好きな人間が高じて獣に変身し、ウサギを喰って後悔するところがある。
笑止。
虎は、小動物を喰う時毎回後悔しているか?否。
食物連鎖の頂上の動物は、生きるために、無益な殺生はしない。
自分が消費する以上は、(ヒトのように)殺さないのだ。
ヒトは、ずいぶん無駄に殺しあいを行い、そのことを動物に投影している。
その最たるものは、(人食い)オオカミ伝説だろう。
変な擬人化をするものではない。
そもそも人間も生きるためには、(間接的に)動物を殺して喰っている。
『能力がある(と思っている)君は、逆らわず唯々諾々と体制にしたがえ、人嫌いな人生を送ると、ケモノになるゾ』という教え、だろうが、現在の若者はこの程度の欺瞞は見破る。
 
更に、念が入って、岸田秀精神分析論も一部も取り込んで、自我の相克にたいするノウハウ伝授ときている。
なかなか、あざとい作り方をしているものだ、と感じた。