バーキン

朝の電車で小生の前に立ったお嬢さんが持っていたハンドバッグ。
うーむ見るからに、イミテーション。
本物のみが持つ語りかける迫力が、無い。
そのお嬢さんは、それがなんであるかを知っているのかいないのか。
本物を持つステイタスの方ならば、こんな満員電車では通勤しないと思うし、ショーファーがお休みであったならば、お召し物があまりにも一般庶民的で、特にそれを持つ意味も無いと思われた。
「失礼乍、お持ちになる方まで、その程度の人間かと評価されますよ。」
と心の中で語りかけた。
 
今まで、一度だけ、おそらく、本物、を見たことがある。
田町駅上りのエスカレータで、前にいた女性が下げていたそれ。
上モノは、CDかなにかの上品なスーツ。
目の前で、その存在が自らあるべく姿であった、という感じで、つい見とれてしまった。