タコ・ウインナ

出典は、かつて息子が通っていた学校から毎月頂いていた小冊子から。
ある学生が、留学で欧州に行き、学生寮で各国から来た留学生と知り合いになり、相互交流のため、各国料理を披露することになり、その学生は考えた。
ウインナ・ソーセージに切り目を入れて油で炒めると、外皮がちぢんで、はじけるようになる。
それは、タコ・ウインナと呼ばれ、手作り弁当の定番となっている。
その(可愛い)タコ・ウインナを作ったら、皆にウケルであろうと。
で、作った。
ところが、他国の学生には、それが何か分からなかったのだ。
即ち、他国の面々は、その片端ビラビラのウインナ・ソーセージが、比喩される具象物である「タコ」である、というお約束の生物を知らず、何らの意義もなさなかった、という記事であった。
この話は、ある文化の常識は、違う文化では非常識の場合がある、という示唆がある。
日本では幼稚園の頃から「タコ・ウインナ」の刷り込みがなされているので、万人何ら違和感は無い。その、他者から見てもおなじである(あろう)。という一種の甘えに、自己文化を(外から省みることなく、)無意識に押し付ける、厚かましさの萌芽を見た。
今、大国と呼ばれ肩で風を切っている国の人間が外に出たとき、無意識的に同様の所作をしていないであろうかと。