翼よ! あれが巴里の灯だ

大西洋単独無着陸飛行を成し遂げた、チャールズ・A・リンドバーグの手記。
冒険は、それが始まるまでが半分の行程で、とはよく言われる言葉であるが、彼の場合は、米国から飛び立つ前に既にほぼ一日眠っておらず、更に三十数時間不眠不休で操縦した。飛行中も正に危険を冒す中で打ち立てられた金字塔である。
トイレはどのように処理したのであろうか・・・生身の人間が直面する問題の記載がない点、非常に良くできたストーリであるが、当時の世相による(?)表現の限界が伺える。
原題は、"The Spirit of St. Louis"である。邦題は、名訳。
さて、リンドバーグといえば、
リンドバーグの世紀の犯罪」
Crime of the Century: The Lindbergh Kidnapping Hoax
グレゴリー・アールグレン、スティーブン・モニアー / 朝日新聞社 / 96/03/05
も落としてはならない。
有名人であるがゆえに公にされなかった影の部分の一部を明らかにした、これまた米国のジャーナリズムの真髄というべき作品である。