書評

ネアンデルタール

著:レベッカ・ウラッグ・サイクス訳:野中 香方子筑摩書房(2022/10)ISBN:9784480860941ネアンデルタール人は、四万年前に姿を消した。(p571)あなたがラスコーの壁にオーカーが塗られた時代(1万5千年前)までの二倍の年月をさかのぼれば、最後のネアンデルタ…

お江戸・東京 坂タモリ 港区編

―タモリの江戸の坂道シリーズ-写真・著:タモリ監修:山野 勝ART NEXT(2022/10)ISBN:9784910825052“日本坂道学会 副会長:タモリ”が著した東京の「坂道愛」と具現化した本。写真で感心するのは、人が写っていない。ということ。かなりの辛抱が必要…

生物の中の悪魔

―「情報」で生命の謎を解く-著:ポール・デイヴィス訳:水谷淳SBクリエイティブ(2019/08)ISBN:9784815601591科学で「悪魔」と言えば、「マクスウェルの悪魔」であり、本書でも当然紹介される。量子力学の進展に伴い、より厳密に理論解析が進み、生命との関…

若い読者のための世界史―改訂版―

著:エルンスト・H・ゴンブリッチ訳:中山典夫 中公文庫(2022/10)ISBN:9784122072770ドイツ人が著した「物語としての世界史」の古典。世界史を表題の様に読み物として平易に説いているのでするする読める。 数度にわたるイタリア遠征を行なったフリードリ…

格差の起源

―なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか-著:オデッド・ガロー監訳:柴田 裕之訳:森内 薫NHK出版(2022年09月)ISBN:9784140819111本件については、ジャレド・ダイヤモンド等の既著が概略を示しているので、何か新しい切り口があるのか・・・と思い、読ん…

統合失調症の一族

―遺伝か、環境か-著:ロバート・コルカー訳:柴田 裕之早川書房(2022/09)ISBN:97841521016861970年代半ば、12人の子供を設けた内半数が統合失調症と診断された米国のとある家族。末娘が幼いころ受けた性的虐待をも公開することを厭わず公開した内容と公の資…

モラルの起源

―道徳、良心、利他行動はどのように進化したのか-著:クリストファー・ボーム訳:斉藤隆央解説:長谷川眞理子白揚社(2014.11)ISBNコード:9784826901765人の道に沿った「善い行い」は、往々にして、他人を助けて自分は死んでしまう・・・と言うような極端な…

疫病の世界史

上巻:黒死病・ナポレオン戦争・顕微鏡下巻:消耗病・植民地・グローバリゼーション著:フランク・M・スノーデン訳:桃井 緑美子・塩原 通緒明石書店(2021.11)ISBN:9784750352671/9784750352688科学が発達し、細菌が顕微鏡下で確認できるまで、疫病の真の原…

とてつもない嘘の世界史

著:トム・フィリップス 訳:禰冝田 亜希 河出書房新社(2020.06)ISBN:9784309228068著者は以前に、「とてつもない失敗の世界史」という本を上梓している。本書のエピソードは、それと重なる部分がある。 両書とも、「・・・の世界史」と日本語版では銘打っ…

我が人生

―ミハイル・ゴルバチョフ自伝-著:ミハイル・ゴルバチョフ訳:副島 英樹 東京堂出版(2022/07)ISBN:97844902106752022年8月30日に逝去されたソビエト連邦の最後の最高指導者の自伝。葬儀に際して、国葬は行われなかったし、現大統領も出席しなかった。歴史的…

危機の世界史

著:ダン・カーリン訳:渡会 圭子文藝春秋(2021/02)ISBN:9784163913353青銅器文明、アッシリア大国、ローマ帝国はそれぞれ栄華を極めたように見えたが滅んだ。それら滅亡の当事者の人々は、危機を意識していなかった。為政者の振る舞いが一因ではあるが、…

ファーストスター

―宇宙最初の星の光-著:エマ・チャップマン訳:熊谷 玲美 河出書房新社(2022.03)ISBN:978-4-309-25443-2「ファーストスター」とは、ビッグバンから約2億年後に誕生したとされる「第1世代」の星で、水素とヘリウムで構成されていた。あとに続く星たちのため…

生命の起源

―地球と宇宙をめぐる最大の謎に迫る-著:ポール・デイヴィス訳:木山 英明明石書店(2014/05)ISBN:9784750340166生命の起源について語るとき、科学が進むに連れて「卵が先か鶏が先か」のジレンマに行き当たる。生命の現状を分析すればするほど、その精妙さ…

失敗だらけの人類史

―英雄たちの残念な決断-著:ステファン・ウェイア訳:定木 大介、吉田 旬子 日経ナショナル ジオグラフィック(2018/1)ISBN:9784863134027人間はどれだけ目先のことしか対応しないのか・・・歴史を紐解き、解説した本。 興味深かったのは、ウサギをオースト…

人はどこまで合理的か

著:スティーブン・ピンカー訳:橘 明美草思社(2022/07)ISBN:9784794225894/9784794225900原著は、2021年なので、ロシアのウクライナ侵攻前。時期的間に合えば、戦争は「非合理の極み」として全面的に書き換えがなされたことと思う。原著副題:理性とは何…

科学は「ツキ」を証明できるか

―「ホットハンド」をめぐる大論争-著:ベン・コーエン訳:丸山 将也白揚社(2022/06)ISBN:9784826902380ホットハンド=「ツキが続く」絶好調の状態先駆の研究者ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーは、“認知バイアス”だとして、そのような効果は…

進化論の進化史

―アリストテレスからDNAまで著:ジョン・グリビン&メアリー・グリビン訳:水谷 淳早川書房(2022/06)ISBN:9784152101419問1.何故世の中は、このようになっているのか?問2.何故生き物は、このように最適化されているのか? 宗教的解答解答1.神が作り給…

禍いの科学

-正義が愚行に変わるとき-著:ポール・A・オフィット訳:関谷 冬華監修:大沢 基保日経ナショナル ジオグラフィック(2020/12)ISBN:9784863134782当の本人は良かれと思って為したことが、人類に“禍い”を齎すことがママあった。・ライナス・ポーリングは…

神の方程式

-「万物の理論」を求めて-著:ミチオ・カク訳:斉藤 隆央NHK出版(2022年04月)ISBN:9784140818992物理学の最先端:今迄に分かっていることと分からないことを一般向けに解説した本。物理解説書の定番として歴史から紐解くが、内容は平易で良い。物理学者が…

緯度を測った男たち

-18世紀、世界初の国際科学遠征隊の記録-著:ニコラス・クレーン訳:上京 恵原書房(2022/05)ISBN:9784562071814 長さの単位は地球が基準となっている。物理学的に光速度のように宇宙普遍なモノでは無いことから、何らかの方法で(取り敢えず)定義する必要が…

スパイス戦争

著:ジャイルズ・ミルトン訳:松浦 伶ちくま学芸文庫(2022/04)ISBN:9784480511133日本の戦国時代、東南アジアのバンダ諸島特にルン島特産の香辛料ナツメグに対してオランダとイギリスが凄惨な争いを繰り広げた。本書は、その争いの最中にイギリス東インド会…

羽田圭介、クルマを買う。

著:羽田 圭介集英社(2019/07)ISBN:9784087808759マスコミ出演で有名な芥川賞作家が、都内でクルマを購入するまでをドキュメンタリ風に週刊誌に連載した内容の単行本。イメージ的に持っていたクルマへの期待が、各種のクルマに試乗することで具体化し、自…

HOW TO BUILD A CAR

著:エイドリアン・ニューウェイ訳:水書健司監修:世良耕太三栄ISBN:9784779641602イギリス人で、アメリカのカートレースを皮切りに、F1車に進出し、マーチ(レイトンハウス)、ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルのレーシングカーを文字通り「デザイ…

電磁波とはなにか

-見えない波を見るために-著:後藤 尚久講談社ブルーバックス(1984年03月)ISBN:9784061181632 図は、p15「ある有名会社の入社試験問題」質問:図に示すように1本の電線に電流が流れたとき、この電線から電波が放射されることを中学生にもわかるように簡…

なぜ私は私であるのか

―神経科学が解き明かした意識の謎-著:アニル・セス訳:岸本 寛史青土社(2022/05発売)ISBN:9784791774661意識とは何か? 意識のある生き物にとって、その生き物であるを感じられるないかがある。p19それはコンピュータが如何に精巧になっても成し遂げられ…

「化学の歴史」が一冊でまるごとわかる

-化学はどのように生まれ、発展してきたのか-著:齋藤勝裕ベレ出版(2022年03月)ISBN:978-4-86064-684-4表紙にある本書の説明化学とは何か。その歴史を眺めてみることは、「世界の歴史」を見ることに似ている。古代の四元素説、五行説、原子論から錬金術を…

言語が違えば、世界も違って見えるわけ

著:ガイ・ドイッチャー訳:椋田 直子ハヤカワ文庫NF(2022年3月)ISBN:9784150505868イギリスの政治家ウィリアム・グラッドストンは、ホメロスおたくで、「ホメロスおよびホメロスの時代研究」の著者である。このことはウィキペディアには記されていない。…

ファシズムとロシア

著:マルレーヌ・ラリュエル訳:浜 由樹子東京堂出版(2022年03月)ISBN:9784490210644原著は2021年出版。 一番最初に、本書では、ロシアのファシズム・反ファシズムをめぐる論争をより広い文脈で検証する。そこではどんな反リベラル的あるいはポピュリズム…

白から黄色へ

-ヨーロッパ人の人種思想から見た「日本人」の発見 1300年~1735年-著:ロテム・コーネル訳:滝川 義人明石書店(2022年1月)ISBN:9784750352947本書は、人種と人種主義の起源と出所に関し、新規ではないにしても補足的に、全体像を提示しようとするもので…

世界史は化学でできている

-絶対に面白い化学入門-著:左巻 健男ダイヤモンド社(2021年02月)ISBN:9784478112724「科学」の分野の内の「化学」に定めて世界史を歴史的に概観した本。51冊もの参考文献から、各時代・各話題に沿った適切な内容を紹介している。 “例の”ブラウン運動に…