書評

[ビジュアル版]元素から見た化学と人類の歴史

―周期表の物語-著:アン・ルーニー訳:八木 元央原書房出版:2019/08/21ISBN:9784562056750元素と周期表を通して化学の歩みと人類の歴史との関わりを紹介した本は今までに多くある。本書は、古代の宇宙観から、中世の錬金術、近代の科学革命、現代の科学者…

世界の発明発見歴史百科

著:テリー・ブレヴァートン訳:日暮 雅通原書房出版:2015/09/25ISBN:9784562052486人類が生み出し、見つけだしてきた300以上の項目を年代順に紹介した本。総花的な書籍にありがちな誤りがそこここに見受けられる。p84:イスラム暦・・・誤記(誤:太陽暦、…

文明の衝突

著:サミュエル・ハンチントン訳:鈴木 主税集英社:1998/6/26ISBN:9784764736658 クリントン大統領時代の世界を概説した本。世界の文化・文明が合い対峙するときには、葛藤が生じる。人は自分が誰と異なっているかを知ってはじめて、またしばしば自分が誰…

僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない

-この世で一番おもしろい宇宙入門-著:ジョージ・チャム /ダニエル・ホワイトソン訳:水谷淳 定価:本体1,800円+税ダイヤモンド社:2018年11月ISBN:978-4-478-06954-7 宇宙はなにからできているのか・・・5%:某らが知っているものすべて27%:ダークマ…

ささやかな知のろうそく

ドーキンス自伝2─科学に捧げた半生-著:リチャード・ドーキンス訳:垂水雄二ISBN:9784152096715早川書房:2017/02/23「訳者あとがき」からこのドーキンス自伝の第2巻は、精神の形成史を語った第1巻とはちがって、さまざまな活動を通じて出会った人々との交…

好奇心の赴くままに

ドーキンス自伝1─私が科学者になるまで-著:リチャード・ドーキンス訳:垂水雄二ISBN:9784152094575早川書房:2014/05/23訳者は、彼が自伝など書くはずがないと勝手に思い込んでい(p421)たと記している。弊方も、中身はどうかな・・・と思い手に取ったが・…

ロビンソン・クルーソーを探して

著:高橋大輔新潮社(1999年1月30日)『ロビンソン・クルーソー』(Robinson Crusoe)は、イギリスの小説家ダニエル・デフォーの小説。この小説のモデル:アレキサンダー・セルカークが暮らしたマス・ア・ティエラ島(現:ロビンソン・クルーソー島)に実際に渡…

グラハム・ベル空白の12日間の謎

―今明かされる電話誕生の秘話-著:セス・シュルマン訳:吉田三知世 日経BP社(2010年9月27日)ISBN:9784822284398電話の“発明者”アレグザンダー・グラハム・ベルは、特許件出願時に競争相手:イライシャ・グレイよりも数時間早かったため、その特許権が認め…

若い読者のための『種の起源』

―入門生物学-著:チャールズ・ダーウィン編著:レベッカ・ステフォフ訳:鳥見真生 あすなろ書房ISBN:978-4-7515-2937-9版元の書籍紹介文:生物学の礎にして、「もっとも世界に影響を与えた本」といわれる『種の起源』。本書は、チャールズ・ダーウィン著『…

馬・車輪・言語

─文明はどこで誕生したのか-著:デイヴィッド・W・アンソニー訳:東郷 えりか筑摩書房(2018/05/28)ISBN:9784480861351/978-4-480-86136-8版元の書籍紹介文:全世界30億人が使うインド・ヨーロッパ語。その言語を話していた祖先はどこにいたのか。なぜこれほ…

交雑する人類

―古代DNAが解き明かす新サピエンス史-著:デイヴィッド・ライク訳:日向 やよい発売日:2018年07月27日ISBN:978-4-14-081751-3帯「いまや人類の進化は、ゲノム抜きでは語れない。」・現代人類の自己同一性は、どのように確保されているのか。・ホモサピ…

波紋と螺旋とフィボナッチ

著:近藤 滋角川ソフィア文庫(2019年03月23日)ISBN:9784044004590かの本庶 佑氏の下に研究していた著者が分かりやすく「科学」に対する学者の立ち位置を解説した本。自分の興味がある分野と携わる仕事の間に乖離がある場合、ある種の葛藤が生じるものだが、…

江戸時代のロビンソン

―七つの漂流譚-著:岩尾龍太郎 (新潮文庫)ISBN: 978-4-10-128621-1江戸時代には、嵐に遭遇した船乗りたちが数多く存在したと思われる。ほとんどの場合、不幸な最後を迎え、その記録が後世に残ることは無いのだが、僥倖という名に於いて、ごく少数の者が帰国…

紙の世界史

-歴史に突き動かされた技術-著:マーク・カーランスキー訳:川副智子徳間書店(2016年11月24日)ISBN:978-4-19-864296-9筆者は、本書中で「技術が社会を変えるのではなく、社会の方が社会の中で起こる変化に対応するために技術を発達させている」と度々述…

気候文明史

-世界を変えた8万年の攻防-著:田家康日経ビジネス文庫ISBN:978-4-532-16731-8地球気候と人間の文明の関連についての書籍は、2019.02/05に「古代文明と気候大変動」として紹介している。本書は、それと同じような内容をより詳細な資料と共に説く。ラスコー…

レオナルド・ダ・ヴィンチ

著:ウォルター・アイザックソン訳:土方 奈美出版社:文藝春秋(2019-03)ISBN:978-4-16-390999-8/978-4-16-391000-0著者は、スティーブ・ジョブズが是非本人の伝記を世に送り出して欲しいと依頼された人物。現存する約7,200頁の自筆ノートを全て読んだ上で、…

世界史を作ったライバルたち

著:アレクシス・ブレゼ、ヴァンサン・トレモレ・ド・ヴィレール訳:神田 順子、清水 珠代原書房(2019/03)ISBN:9784562056453上下巻の内、下巻の第15章スターリンとトロツキー〈同志〉たちの死闘第16章チャーチル対ヒトラー ライオン対鷲第17章ティトーとスター…

病の皇帝「がん」に挑む

-4000年の歴史-著:シッダールタ・ムカジー訳:田中 文早川書房(2016/06)ISBN:9784150504670/9784150504687一昔前、「がん」は不治の病であり、病院内では(患者に秘するために)キャンサー:CancerのCAをドイツ語読みした「ツェーアー」が隠語で用いられて…

ロケットガールの誕生

-コンピューターになった女性たち-著:ナタリア・ホルト訳:秋山文野 地人書館(2018.4)ISBN:978-4-8052-0923-3「コンピューター」という用語は、生きているほうと電気で動くほうp276の二通りがあり、「生きているほう」の計算手のことを「コンピューター…

〔ダイジェスト版〕オリバー・ストーンの「アメリカ史」講義

著:オリバー・ストーン、ピーター・カズニック訳:夏目 大ISBN:9784152096272早川書房(2016/07/22)以前、NHK-BS1のBS世界のドキュメンタリーで、「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」を見た。本書の内容は、ほぼその内容に準じている。書…

遺伝子

-親密なる人類史‐著:シッダールタ・ムカジー監修:仲野 徹訳:田中 文早川書房(2018.2)ISBN:9784152097316/9784152097323遺伝子の発見と応用に関わる歴史と現代の問題を筆者の個人的な一族の関連と絡めて語る良書。「二重らせん」モデル発見の経緯も、…

ビッグ・クエスチョン

- 〈人類の難問〉に答えよう-著:スティーヴン・ホーキング訳:青木薫NHK出版(2019/03/14)ISBN:978-4-14-081773-52018.03/14に惜しまれつつ世を去った科学者が最後に残した究極の問の答え、を我々に遺して下さった。〈10のビッグ・クエスチョン〉1 神…

地磁気の逆転

―地球最大の謎に挑んだ科学者たち、そして何が起こるのか-著:アランナ・ミッチェル訳:熊谷玲美光文社(2019/06)地球はそれ自体「磁石」となっていることは、今では常識となっている。ということは、過去は知られていなかった、ということである。それが「…

日本人はどこから来たのか?

日本人はどこから来たのか?著:海部陽介文藝春秋(2016.2)ホモサピエンスの日本への到達は、3ルートあった。特に著者は、南方からの沖縄ルートについて、実際に公開するプロジェクトを主催することを記している。p172これが、この度、「3万年前の航海 徹底…

古代文明に刻まれた宇宙

―天文考古学への招待-著:ジューリオ・マリ訳:上田 晴彦青土社(2017/7)興味をそそるキーワード「古代文明」「宇宙」「天文考古学」を持つ本書は、怪しい類の似非科学本ではない。古代人を統率するために必要な宗教観・権力など文化人類学の観点から、夜に…

我々はなぜ我々だけなのか

―アジアから消えた多様な「人類」たち-著:川端 裕人監修:海部 陽介講談社ブルーバックス(2017/12)昔、一時期、「♪ピテカントロプス・エレクトス、ぼくらの先祖はおさるさん♪」という歌が流行ったことがあった。それは、かつての呼称であって現在では、ジ…

進化論はいかに進化したか

進化論はいかに進化したか書評著:更科 功新潮選書 (2019/1/25)ダーウィンが、(創造論を信奉する)キリスト教しかないような社会の中で、「進化論」を発表したことは、革命に価するような常識破りなことであった。その頃は、現在の様なDNAを始めとする理論的…

雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科

著:涌井 良幸 涌井 貞美KADOKAWA(2018.3)身近にある「便利なモノ」を総花的に紹介した本。中身の仕組を簡単に述べていて便利だが、3点ほど・・・p56、「電線は3本1セット」で、「三相交流という送電方式を採用しているから」とあるが、実際の各家庭への電…

人が自分をだます理由

―自己欺瞞の進化心理学-著:ケヴィン・シムラー,ロビン・ハンソン訳:大槻 敦子原書房(2019/03)原題は、「脳内の象」。象は、誰の頭の中にも存在しているが、「それを言っちゃーお終いよ」ということで、誰しもが目を背けている存在。本書は、その「象」…

生命、エネルギー、進化

著:ニック・レーン訳:斉藤隆央みすず書房(2016/11発売)著者の書籍は、専門書と紙一重で、叙述が深すぎて、理解できない箇所が多い。が、内容については、表題の最新動向を知らせて下さる。曰く、微生物の系統図についての最新図解(p15)所謂「原子スープ…