死因の人類史

著:アンドリュー・ドイグ
訳:秋山 勝
草思社(2024/02)
ISBN:9784794226945
過去の死因の歴史を著者なりに紐解いた本。

人類は、出現後20万年を経過したが、その約95%は狩猟採集民としての生活だった。
その頃は、感染症はほとんど発生していなかった。
農耕土着することで、階級が生じ、課税が始まり、病原菌による部族絶滅に至るケースも発生するようになった。

西シベリア、アルタイ山脈で発見されたデニソワ人も恐らくは感染症に罹患した結果、絶滅したのではないか・・・と個人的に思っている。

検疫:クアランティンは、疫病の原因となる病原菌の発見以前に対象都市を防護するために設けられた40日間設定したヴェネチア方言:クアランタを語源に持つ。p99

新大陸からタバコが齎され、ニコチン中毒に手を焼いたオスマン帝国のムラト四世は、アルコール、コーヒー、タバコを厳禁したp391
とあるが、“アルコール”は、もともと経典で禁じられていたので、ウィキペディアでは、「コーヒー、タバコ」という表現になっている。

本書では、人口減少について、
地球に与えるストレスを軽減し、最終的には人間世界と調和した安定状態に以降
し、
出生率がさがると人口は減少に転じて、平均寿命は延びてい
き、
破滅を回避するには何よりも望まれる状態だ。p426
と説く。

p190の“低音殺菌”は「低温殺菌」の単純な誤植だろう。